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「土砂災害防止功労者」で国交大臣表彰/傳刀組、企業として「全国初」の受賞

大町市の傳刀組(傳刀宗久社長)がこのほど、国土交通省・土砂災害防止功労者の大臣表彰を受賞した。砂防工事における無人化施工や土石流監視技術など現場の安全管理技術の開発・実践の取り組みが評価されたもので、企業としての受賞は全国で初めてだ。

◆砂防現場での安全技術進展に貢献

 受賞の喜びを傳刀社長は「長年、地域の安全な暮らしを支える砂防事業に携わり、その活動が評価されたことは嬉しい」と語る。
 今回評価された傳刀組の取り組みは、砂防現場における①無人化施工や土石流監視技術の開発・実践②無事故の工事実績③開発技術の論文化や公表によるノウハウの水平展開-など安全技術の進展への貢献だ。
 同社が土砂災害防止のために活動してきた歴史は長い。北陸地方整備局松本砂防事務所発注の浦川流域での砂防工事では、約10年前から無人化施工の技術を開発。土石流監視技術は1996年に蒲原沢で発生した土石流災害の翌年からワイヤーセンサーや振動センターを活用した警報システムの開発に取り組み、過去20年にわたり無事故で工事を実施している。優秀な研究成果を発表する「全国砂防工事安全研究会」でも、発表の回数は全国最多となる5回だ。
 現場技術者として数多くの砂防工事を手掛け、技術開発の中心を担った同社土木部副部長の老野裕介氏は「技術開発においてPDCAサイクルを活用してきたことが、今に生かされ、無事故が継続できている」と話す。「これからも改善・改良を重ね、安全な現場づくりに向けて努力を続けていきたい」とし、今後も土砂災害防止に努めていく考えだ。
 傳刀社長は「尊い命が失われた蒲原沢の災害。その災害が当社やこの地域の建設会社の考えを大きく変えた。『安全』に対して惜しみない努力を続けてきてくれた社員に感謝し、無事故で共に施工にあたってくれた協力企業とも喜びを分かち合いたい」と話した。
 土砂災害功労者表彰は、国交省が6月の土砂災害防止月間にあわせ毎年実施しているもの。国交省によると「これまでは砂防の美化活動などに取り組むボランティアや研究者などの受賞がほとんど。過去36年の歴史の中でも企業としての受賞は今回が初めて」だという。
 もちろん、受賞がゴールではない。傳刀社長は「これからも地域の守り手として、意欲的に取り組んでいきたい」とし、今後も土砂災害防止のため、ICT活用を含めた技術開発への挑戦を続けていく考えだ。[新建新聞7月5日号抜粋]

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