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自治体のインフラ維持管理本格化へ 道路メンテナンス会議設立

 県内の全道路管理者が参画し、維持管理に関する情報共有、意見調整などを行う「長野県道路メンテナンス会議」が発足した。国と県が設置したもので、膨大な数に上るストックの点検・修繕に当たり、技術者・予算不足などの課題を抱える市町村の支援策づくりにつなげるのが狙い。インフラの維持管理をめぐっては、先月下旬に国土交通省が「インフラ長寿命化基本計画」行動計画を策定。また、5年に一度の近接目視が7月から義務付けられるなど、国施策を受けて自治体によるインフラの計画的な維持管理がいよいよ本格化する。

●予算・技術者不足の市町村を支援  13の地区会議も設置

 道路インフラのうち橋梁(15m以上)については現在、県が1527橋、市町村が3120橋が管理している。そのすべてが点検済みで、長寿命化修繕計画も策定されている。ただ、計画に基づいて修繕(実施中含む)したのは、県が要修繕1527橋の13.8%、市町村が同2744橋の11.1%にとどまる(25年4月時点)。

 道路メンテナンス会議は、こうしたインフラの予防保全・老朽化対策の体制を強化するためのもので、都道府県単位で設置が進んでいる。意見調整・情報共有、点検や修繕計画の把握・調整、損傷事例や道路法の技術的基準類の共有などをテーマに審議する。

 このうち技術基準類は国交省令で定めるもの。省令では、今年7月以降、橋梁とトンネルに5年に一度の近接目視による定期点検を義務付けており、点検結果に基づく健全性の診断は施設の状態に応じて4段階で評価することになっている。メンテナンス会議では省令の施行前に、今後明らかになる点検基準・要領を情報共有することにしている。

 このほか、佐久、上田、諏訪、伊那、飯田、木曽、松本、安曇野、大町、千曲、須坂、長野、北信の各地区会議を設置し、地域の実情に即した審議を進める。会長は県建設事務所長が務める。
 5月28日に開催された会議の初会合には国交省、県、NEXCO東日本・中日本、市町村の担当者が出席。護摩堂満会長(長野国道事務所長)は、「長野県における道路インフラの老朽化対策の第一歩を踏み出したことは大変意義深い」とした上で、「道路インフラには危機が迫っている。今、適切な維持管理を怠れば、近い将来、取り返しのつかない事故を引き起こす可能性が高くなる」と指摘。会議の在り方については「道路のメンテナンスサイクルを持続的に回すためにどうすべきか。情報を共有し、協力関係を構築することが重要だ」と述べた。



●支援体制 河川なども   国交省の長寿命化行動計画

 先頃、国土交通省がまとめた「インフラ長寿命化基本計画」の行動計画は、同省所管のインフラの維持管理・更新の方向性を施設分野別に整理したもの。同省と地方自治体がメンテナンスに関する協議会を設け、技術力・人員不足に悩む市町村を支援する体制を構築するなどと記載。道路分野の「道路メンテナンス会議」を他分野にも広げる格好だ。

 昨年11月に策定されたインフラ長寿命化基本計画は、「メンテナンスサイクル」の構築を柱としている。
 行動計画は、インフラの維持管理・更新の体制や制度を所管する役割と、直轄でインフラを管理する役割の双方で、今後取り組む施策を施設分野別にまとめた。点検・診断については、道路の近接目視義務付けを実施するなどとしている。

 インフラの維持管理・更新を進める地方自治体を支援する体制の構築も急ぐ。道路分野における取り組みを河川などの他分野にも広げ、管理者間の相互連携を深める。同省が市町村に代わって工事を施行したり、委託による一括発注などの支援措置を講じる。

 また、入札契約適正化法の改正で、施工体制台帳の作成・提出義務が拡大されることに伴い、小規模修繕工事も含めて施工体制を把握し、手抜き工事や不当な中間搾取(さくしゅ)を防止。重層下請構造の実態を調査し、必要に応じて技能労働者に適正賃金が行きわたる対策を講じる。

 このほか、修繕工事の担い手を確保するため、積算基準の見直し、発注ロットの最適化、単価・数量生産方式の活用―をはじめとする入札契約制度の見直しも図る。

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