PickUP  [ 官庁News ]

インフラ整備の効果 共有し広げよう! 県が事例発表会

 県建設部は、職員が公共事業の整備効果を多面的にとらえ、住民らに分かりやすく伝えるスキルを磨く「公共事業整備効果事例発表会」を12月16日、県庁で開いた。インフラが持つ「ストック効果」が着目される中、さまざまな側面からインフラに光を当てて幅広い整備効果を把握し、情報発信することで、公共事業の意義や必要性への住民らの理解を広げたい考えだ。


■地域間交流や環境教育 波及効果も深掘りして数値化を

 発表会に先立ち、あいさつに立った奥村康博建設部長は、インフラ整備の効果を分析し発信することの意義を「行政の説明責任を果たし、事業の優先順位を的確に判断できるようになる」とし、「仕事への考え方も変わる。効果をしっかり把握することは(職員の)やりがいにもつながるはず」と語った。

 発表会は今回が2回目。建設事務所、砂防事務所、地方事務所の建築課など29の事務所や課の代表が、パワーポイントでつくった資料を使って持ち時間5分でプレゼンテーションし、奥村部長と油井均建設技監が評価した。

 木曽建設事務所は、国が整備した権兵衛トンネルを含む「伊那木曽連絡道路」が地域にもたらしている救急医療の拡充や地域間交流の促進といった整備効果を発表。脳神経外科の常勤医師がいない木曽病院(木曽郡木曽町)では、脳血管疾患で手術が必要な患者を、同道路開通前には約100分かけて松本市内の医療施設に搬送していたのが、開通により伊那中央病院(伊那市)に約50分で緊急搬送できるようになったとし、開通前の平成17年にゼロ件だった木曽地域から伊那地域への救急件数が26年までに年平均26件になっていることや、伊那中央病院の木曽地域からの外来患者数が開通当初に比べ26年には1・6倍になっていることを数字で分かりやすく示した。

 また、医療の面だけでなく、木曽、上伊那の両地域間で相互に通勤・通学する人の数が、開通後5年間で7倍以上になり、地域間交流を活発にしている効果も紹介された。

 そのほか安曇野建設事務所は、安曇野市に整備した烏川渓谷緑地の教育効果をアピール。環境教育の体験型学習の場として市内の小学校に活用されており、「この学習を50年継続すると、安曇野市民約9万5500人の半数以上の約5万人が環境教育を体験型で学習することになる」と訴えた。

 千曲建設事務所は千曲川に整備した「冠着橋」の効果を検証するため独自に住民アンケートを実施。アンケートの結果や住民の声から、右岸と左岸の多様な交流が深まり、快適な暮らしに役立っているとの効果を裏付けた。

 プレゼンを受け奥村部長は「パワーポイントは要点だけ箇条書きにして分かりやすくしたほうがいい」とアドバイス。道路整備についての発表では、「渋滞や近隣の交通量といった直接的な効果だけではなく、その先の波及効果まで深掘りしてほしい」とし、「例えば沿道の宅地開発や人口、企業立地の動向を調べたり、増えているなら、その具体的な理由を当事者に聞いたりするといったことにも取り組んでみてほしい」と投げ掛ける場面もあった。

 県技術管理室では、発表された事例を県ホームページなどで公表する。市町村や建設業界などにも「積極的に活用してほしい」としている。[新建新聞12月25日号抜粋]

前へ戻る

広告バナー