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長野県/委託の失格基準価格引き上げへ 2月契約審議会に具体案提示

■測量・設計業の経営安定と労働環境改善に向け 一体的取り組みを展開

 県は、測量・設計業などの経営安定と労働環境の改善に向けた取り組みの一環として、現在、委託業務の一般競争入札(受注希望型)で80~85%に設定されている失格基準価格を引き上げる。いまのところ来年2月開催予定の県契約審議会で改定案を示し、了承されれば、同年4月から適用する方針だ。

 11月25日に県庁で開いた契約審議会に、県が経営安定や労働環境改善に向け、失格基準価格の引き上げを含むさまざまな取り組みを一体的に進めていく案を示し、了承された。

 審議会では、取り組みを進める必要性として、老朽化が進むインフラの点検・維持や災害時の緊急調査、技術職員の不足する自治体の支援で調査・設計業の重要性が増しているにもかかわらず、業界が深刻な担い手不足と技術者の高齢化に直面していることが指摘された。

 県測量設計業協会など業界団体が会員に対して行ったアンケートの結果によると、測量や設計など県内の委託業務に関わる技術者の年齢構成は50代前後がピークで40歳以上が7割を占め、30歳未満は1割と高齢化が顕著。26年から過去5年間の40歳未満の技術者の採用状況を見ると、採用できたのは募集に対して半分程度にとどまり、さらに離職率が約5割と高い上、離職した人の5割以上が異業種に進んでおり、若手技術者が増えず定着しない厳しい状況が浮き彫りとなっている。

 また、アンケートの結果や統計データとの比較から、県内の測量・設計業などに従事する人の年収が全産業の8割程度にとどまることや残業時間が多いことなども明らかに。経営者は経営を取り巻く実態として、公共事業への依存度が高いことに加えて事業量の見通しが立たない、人材が確保できない、利潤が確保できない価格、過当競争―といった点を挙げる。

 県は、こうした状況を踏まえ、地域の安全・安心確保など県民生活とっても重要な役割を担う業界における若手技術者の確保・育成が急務と判断。失格基準価格の引き上げをはじめ、発注業務の納期の平準化や女性技術者のための環境改善、高校生を対象とする就労促進事業などの取り組みを一体的に進めることで、企業の経営の安定化や賃金を含む働く人の待遇の改善につなげたい考えだ。

 県発注の委託業務の昨年度の平均落札率は84.7%で、隣接8県に比べ5.9ポイント低く、全国平均に比べても3.7ポイント低い。なお県の建設工事については、今年4月に失格基準価格算定の上限値がそれまでの90%から92.5%に引き上げられ、昨年度91.2%だった平均落札率は、今年7月時点で92.8%と上昇している。[新建新聞12月5日号1面抜粋]

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