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「産業用ドローン」を本格展開 ~炭平コーポレーション(長野市)~

■災害調査やインフラ点検に 官公庁の担当に技術提案!

 炭平コーポレーション(本社・長野市、鷲澤幸一社長)は橋梁などインフラの点検や災害時の調査に有効な「産業用ドローン」の販売やオペレーターの養成、計測・調査業務の受託などを新たな事業として本格展開する。

 10月6日には、岡谷市のやまびこ国際スケートセンターの屋外リンクを会場に、主に官公庁の担当者を対象とする産業用ドローンの技術提案講習会を開催。中南信エリアの県現地機関(建設・林務・農政)や市町村、広域消防などから参加した約70人に、デモフライト(実演飛行)なども行いながらドローンの機能や有用性をアピールした。

 講習会で、同社ライフエコロジー事業部の岩崎定男部長は「産業用ドローンは災害調査など、さまざまな用途に便利なツール。見て触れてドローンがどんなものか体感してほしい」と訴えた。

 会場では、4枚のプロペラが付いた撮影カメラも含めて50万円程度の価格の量産タイプの機種のほか、8枚のプロペラを備えたテレビ局が空撮に用いる高性能のカメラを搭載した300万円程度の機種や同じく8枚プロペラで赤外線カメラを搭載してインフラ点検などに用いる400万円程度の機種まで紹介。

 ドローンのオペレーション訓練も受け、ドローン関連事業を担当する同社松本支店の吉池淳氏が、カメラで空撮した写真と専用ソフトによって土量や地形などの3次元データをつくる技術や、赤外線サーモグラフィーカメラによって橋梁など構造物の劣化調査を正確に行う技術を解説した。

 当日会場では、実際にドローンを飛ばし、上空から撮影した地上(スケートリンク)の様子をモニターに映し出した。参加者は、GPS(全地球測位システム)からの位置情報や機体に搭載した磁気コンパスの機能によって一定の位置に静止(ホバリング)した状態で撮影されたぶれのない鮮明な映像を驚いた様子で見つめていた。また、同社の担当の説明を受けながら実際にドローンの操縦も体験した。

 操縦指導に当たったドローンによる調査業務の経験が豊富な同社のオペレーターは「電波が届く最大距離は1・5㎞ほどで、1回の飛行時間は10~15分程度。バッテリーを交換しながら飛ばして業務を行う」と説明。コンピューター化されていてあらかじめルートを設定した自動飛行も可能だが、特に比較的対象物の近くを飛行しながら計測や調査を行うインフラ点検などについては「不確定要素は必ずある。何かあったときにマニュアルで操縦できるスキルを身につけることが必要」と操縦トレーニングの重要性を訴えた。最近、問題になっている落下事故については「建物の裏側に入ってしまうなど、何らかの形で機体に電波が届かなくなってしまったことが要因のケアレスミスが中心」と話していた。


■建設会社などからの業務受託も

 同社では今後、山梨県内の開発メーカーとの提携により産業用ドローンの用途に応じた導入コンサルティングから機体の設計・製作・販売、安全に運用するためのトレーニング、修理・保守までのサービスを一体的に供給していく。また今後、インフラの点検や災害時の調査、地形測量などでドローン活用のニーズが増えていくことが見込まれる中で、測量会社や建設会社などからの業務の受託も積極的に展開していく方針だ。

 同社担当の吉池氏は、参加者からの質問に答えながら「危機管理など、どんな場面で(ドローンが)有用か一番よく分かるのは官公庁の皆さん。より効果的な活用方法を一緒に考えていきたい」と呼び掛けた。県の現地機関から参加した林務の担当者は「南木曽町で起きた土石流の災害現場で、国の担当者が直後からドローンによる調査を行っているのを見て効果を実感した。今日は機能や操作性を確かめたくて参加した」と話していた。

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