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県内建設業25年度決算分析(財務分析統計指標)―東日本建設業保証調べ―

 長野県の建設業1030社の平成25年度決算(平成24年4月~25年3月期)分析がまとまった。

 財務指標の評価区分となる収益性では、本業の売上高経常利益率が前期より0.65ポイント上がったが、東日本管内全体の水準が上がる中で、前期19位から21位に下がるなど自己資本比率を除く総資本経常利益率、売上高営業利益率、売上高総利益率のすべてが平均以下の最下位層となり、経営状況の厳しさをが依然続いているようだ。

 売上高別でも、5億円未満が前期より収益性平均値が上がった反面、一般管理費は微減で、経営を圧迫が続いていることが伺える。


■収益性改善に大きな壁   経常、営業利益、総利益は連続最下位層

 東日本建設業保証が11月25日までにまとめた建設業の財務統計指標(平成25年度決算分析)によると、本店所在地が東日本23都県の法人企業のうち、総合(土木・建築)、土木、、建築、電気、管の5業種を対象に兼業売上高20%以下、営業期間1年以上の2万5683社の決算内容を調査・分析した。

 東日本管内の収益指標の売上高総利益率(粗利益率)は、19.29%と前期比0.2ポイント上昇。総資産経常利益、売上高経常利益、総資本回転率、売上高営業利益ともすべて上昇傾向が続いている。

 特に震災復興中の宮城、福島、岩手の3県は、3部門(総資本経常利益率、売上高経常利益率、売上高営業利益率)において、1~3位を3期連続で占めた。

 一般管理費率は前期より0.3ポイント減少し、利益発生過程の総利益率の上昇が収益性好転の要因としている。一方、統計母数の公共工事受注企業という調査対象も前期比376社減り、この11年で5721社減少。特需はあっても市場全体の縮小による受注企業数も減少が更に進んでいる。

 また、業種別の流動比率・当座比率で電気が依然高く、建築が低くなっている。売上高別では30億円以上クラスが低い。自己資本は電気が高く、土木が低い。売上別では1億円未満クラスが最も低く今期もマイナス。生産性は、1人当りの付加価値は付加価値率が下がったが37万円増加した。業種別では、土木・建築、建築、土木が高く、管が低い。売上高別では規模が大きくなるにしたがって高い傾向にある。

 長野県を見ると、まず調査対象企業が前期比4社増加した。この11年間では298社も減少したが、繰り返す入札制度改革と公共事業の削減、民需低迷、会社整理・倒産など長引く建設業の低迷も底打ちなのか、アベノミクス効果なのかは不透明だ。

 売上高経常利益率は前期のマイナスから0.65ポイント増加してして0.42ポイントとプラスに転じたが、東日本平均が2倍近く上がったことから管内では21位。自己資本回転率は0.11ポイント増加し6.44回転となったが平均を大きく下回った。

 当座比率は5.36ポイント減少し269.2027となったが平均を大きく上回った。自己資本比率は0.56ポイント減少し30.58%(3位)と平均を大きく上回った。

 生産性は一人当たりの付加価値が42万円増加したが平均を下回った。売上高一般管理費は0.22ポイント減少し17.8%(東日本平均18.54%)。売上高別では、電気、売上高1億円~5億円、10億円~30億円で増加した。

 収益性では、土木建築、土木で改善傾向にある。売上高別では1億円~5億円未満が改善傾向にあるが、1億円未満は依然厳しい状況にある。

 東日本建設業保証長野支店によると「収益、活動、流動、健全、生産の財務全般では改善傾向だが、管内全体値が大きく改善され平均値が上がり長野は平均以下の項目が多い。特に営業利益率は長野と静岡がマイナス。また、売上高1億円未満の企業も依然厳しい状況が続いている」と分析。

 また、長野県建設業協会の藏谷伸一会長は「労務単価のや公契約などいわゆる「担い手3法」の改正など前回より改善されてきたが、営業利益だけを見れば債務超過でありもう一つ壁がある。東保証管内全般でも自己資本比率以外は最下位クラスにあり、今年3月成立した県契約条例の展開を審議会の委員として期待、見守って行きたい」と話す。

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