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地下水循環型地中採熱システム 実用化に向け実証実験  守谷商会

 守谷商会(長野市、伊藤隆三社長)が開発を進める仮称「地下水循環型地中採熱システム」(平成26年2月特許出願)が、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「再生可能エネルギー熱利用技術開発」事業の共同研究予定先に選ばれた。

 これにより同社は、同事業による補助金を受けて実証プラントなども整備しながら、ヒートポンプを活用した新しいタイプの地中熱利用システムについて5年ほどかけて建設コストの削減効果や運転性能を検証し、実用化を目指す。


■地下水併用し熱交換量を増大   プレキャスト化で建設コスト削減も

 同社のシステムは、地表から1m~3mの浅い地盤に水平式の地中熱採熱システム(採熱管などの熱交換器)を設置するスリンキータイプに揚水井戸を組み合わせたもの。

 地中熱利用で広く普及している地中10~100mを掘削して熱交換パイプを垂直に設置する「ボアホール型」に比べ、建設コストを大幅に削減できる。また、必要に応じて井戸から汲み上げた地下水を熱交換器に散水することにより熱交換量を増大(温度調節)させ、気温変化の影響を受けやすいスリンキー型のデメリットを解消する。

 さらに、従来コイル状だった採熱管をシート状のものにし、ポーラスコンクリートの二次製品と組み合わせて熱交換器をプレキャスト化することで、現場での施工性の向上も実証する。

 スリンキー型の場合は採熱管の周囲を砕石で覆う。プレキャストタイプのポーラスコンクリートも空隙構造で浸透性が高いため、どちらも散水した地下水は、自然に地中に戻すことができるという。

 同社は9月中旬までにNEDOと共同研究について契約し、長野市真島に所有する延べ約100㎡の規模の自社施設に20kw級(スリンキー、プレキャスト化各タイプ10kwずつ)のシステムを設置する。
 いまのところ、冷暖房設備機器を含む原材料費のみで2000万円を想定。今年の冬からヒートポンプや冷暖房設備の運転性能などの検証データを収集する予定だ。普及している現行技術(ボアホール型)に比べ、20%のコスト削減と、採熱効率の向上によりヒートポンプの運転効率10%アップを目標として掲げる。

 同事業は、再生可能エネルギーの普及拡大や技術開発(コストダウン)などを目的に国(資源エネルギー庁)がNEDOに委託して実施。NEDOは全国から公募した中から、同社の提案を含む14の研究(技術)開発を選定した。実施期間は26年度~30年度までの5年間で総事業費は40億円、26年度事業費は5億円の予定。[新建新聞8月25日最終面抜粋]

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