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熱交換塗料に注目! 食の安全・安心で『畜産分野』に好感

 屋根や外壁に塗ると室温を夏は涼しく、冬は暖かく保つことから、1年を通して高い省エネ性能を発揮する熱交換塗料。県内では平成24年6月に工法研究会が発足し、冷暖房費の削減効果を期待して導入する事例が工場や商業施設、戸建て住宅など幅広い分野で増えている。最近は食の安全・安心に対する意識の高まりから畜産分野がこの塗料に注目、引き合いが増えたという。

 熱交換塗料は、塗装面の極端な温度変化を抑制するのが特長。気温が5~25度のときには通常の塗料と変わらないが、25度以上に上がったり、5度を下回ると、塗装面のそれ以上の温度変化を防ぐ。人間にとって心地良い温度に近づけようとする機能が売りだ。

 県内では23年以降、長野市を中心に採用され、中南信エリアにも需要が拡大。飯田市では昨年、小学校のプールサイドに試験施工され、今年も市内のプールへの採用が決まっている。戸建て住宅も、これまでに北信で30件、中南信で10件超の施工実績があり、確実な広がりを見せている。

 県内で同工法の販売・普及や施工技術の向上に取り組んでいる「甲信越地区熱交換塗料工法研究会」が、いま注目しているのが食の安全・安心の分野だ。

 24時間体制の温度管理が必要な茸工場や大型冷蔵庫を持つ食品会社など、県内でも当初から食品分野へは各社が積極的に営業を展開してきたが、昨年の猛暑も相まって今年は畜産業界からの引き合いが急増しているという。

 畜舎内の温度を管理して豚の夏バテによる食欲減退を抑え、成長を促進させようと熱交換塗料を採用した上伊那郡中川村の養豚家は、「冬期の寒さと夏期の屋根からの煮え込めるような暑さが抑制できた。豚の食欲が未塗装時よりも安定し、出荷に掛かる日数も平均で数日短縮できた」と、その効果を話す。

(写真:大規模な施工を行った長野県農協直販のSPF種豚センター)

 畜舎の暑さ対策としては、屋根に石灰を塗ったり、屋根や外壁を断熱仕様に改修するなどの方法があるが、手間やコストがかかるのが悩みの種。しかし、熱交換塗料は塗膜への汚れの付着による性能劣化も少なく、省エネ効果が長期にわたって持続する点も強みだ。「夏場の臭気も温度上昇が抑制されたため例年より抑えられているように感じる」とメリットを付け加える。

 最近、牛舎に採用した酪農家は搾乳量の安定化を期待。養鶏農家でも安定した産卵を期待して採用に向け検討しているところだ。
 長野市内では、養蜂家が蜜の採取量増加を期待して蜜蜂の巣箱に熱交換塗料を試験採用し、実験を進めている。
 「蜜の採取量にどのような影響が出るか興味深い。越冬時の効果も期待している。巣箱の内、外の温度差から発生する結露の抑制効果も期待できそう」。

 熱交換塗料は環境省が推奨する国連関連機関が発行するカーボンオフセットの認証クレジット製品で、全施工物件が環境対策製品の対象となり、施工後に証書が発行される。

 熱交換塗料を1缶(約35㎡)使用すると、温室効果ガス(CO2)60㎏を削減したことになる。毎年アイテムの選択に苦慮するISO14001の取得企業も注目していることから、さらなる需要拡大が期待される。

 問い合わせは甲信越地区熱交換塗料工法研究会(電話026‐262‐1254、担当・原田)まで。

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